無響室・半無響室の実績と概要について

無響室・半無響室の実績と概要について

無響室・半無響室とは、室内での音の反響を無視できるほど小さく設計した音響実験室です。

スピーカーやマイクロホンなどの音響測定、産業機械から発生する騒音の測定、人間の聴力の精密測定、音の立体感覚の測定など、多くの目的に使用されています。

弊社は、オーディオメーカー・技術研究施設等の無響室で、多くの設計・施工実績があります。

蓄積した技術と実績で、コストパフォーマンスに優れた無響室・半無響室をご提案致します。

無響室2 半無響室 無響室3

弊社担当、黒川宏一の無響室・半無響室の実績及び主な参加プロジェクト

  • 東芝富士工場恒温恒湿無響室
  • 東芝川崎工場半無響室
  • 日本ケミコン恒温恒湿無響室
  • 富山大学電波・音響無響室
  • ハザマ技術研究所電波・音響半無響室
  • 日立製作所(旧トキコ㈱)半無響室
  • 明星電気無響室
  • ブリジストン技術センター無響室
  • 東京電機秦野工場無響室
  • サンボイス無響室
  • アルバック茅ヶ崎工場半無響室
  • ミネベア電波・音響半無響室(袋井)
  • アイワ本社無響室
  • 松下精工藤沢工場恒温恒湿無響室
  • クラリオン電波・音響半無響室
  • 山水電機無響室
  • 日本ビクタータイ工場無響室
  • 日本ビクター横浜工場無響室改修

無響室の防音設計

無響室の場合は、外部、隣戸からの騒音対策が、必要不可欠となります。設計目標とする無響室内暗騒音レベルは、測定する音源の最小レベルより-10dBが理想です。

防音構造は、外部・隣戸からの騒音レベルを測定あるいは予測し、この目標とする無響室内暗騒音レベルより、遮音レベルを計算し設計します。

防音構造

単一部材の遮音性能は、入射音の周波数と材料の面密度の対数に比例します。(質量則)つまり、材料の重量が増えると遮音性能があがります。しかし、質量則では、重量を2倍(同一材なら厚みを2倍)にしても6dBしか遮音量は増加しません。

質量則による遮音量の計算

垂直入射;TL0=20log10f・m-42.5

拡散入射;TL=TL0-10log10f(0.23・TL0)

・f[Hz];入射音の周波数

・材料の面密度;m[kg/㎡]

・m=ρ×t ρ;密度[kg/m^3]、t;厚さ[m]

この質量則以上の遮音量を得るには、部材間に空気層をとった二重壁を構成することにより可能となります。

また、この部材間の振動伝達を抑えることによりさらに防音性能が向上します。したがって、無響室のような高度な防音性能が必要な場合は、防振設計が必要不可欠となります。

*無響室の防音構造

無響室の防音構造

防振設計・防振工事

音は空気を伝播してくるもの(空気伝播音)と壁・床・天井などの物体内を伝播するもの(固体伝播音)があります。

固体伝播音は、その物体が振動することで音が伝播するので壁などを厚くするだけでなく防振構造(浮遮音層)が必要となります。

特に無響室のような高度な防音が必要な場合、防振構造が必要不可欠となります。また、地下鉄や地上の鉄道、周辺道路の振動などの影響がある場合も、防振対策が必要となります。

防振材の種類は、防振ゴム、金属スプリング、エアーサスペンションなど様々ですが、無響室の防音工事に使用される防振材は、ほとんど防振ゴムです。

防振ゴムにもいろいろな種類があります。一般には円筒型防振ゴムですが、最近では、リングマウント・ボールダンパーのような質の高い防振材が主流です。ゴム、ポリウレタン系の防振パッド・シート、フォーム材に組込まれているタイプは簡易防振材で、性能を追及する無響室の防振・防音工事には不向きです。

防振材の選定

1.固有振動数Foを10Hz以下に設定

防振ゴムの設定は、防振したい周波数の1/3の周波数に固有振動数(f0)を設定します。10Hzに設定すると、30Hzぐらいから防振性能が発揮されます。

ゴム、ポリウレタン系の防振パッド・シート、フォーム材に組込まれているタイプでは、10Hz程度に設定できませんので使用できません。

2.固有振動数Foでの共振レベルが低いもの

固有振動数Foでは、振動レベルは増幅されます。このレベルが高い防振材では、アフレコルームなどの建築の防振材としては不向きです。

通常の防振ゴムでは10~15dBですが、15~25dBと非常に大きな防振材もあり注意が必要です。この周波数付近でのレベルが増幅し、外部からの低い周波数の振動に弱く、上部で測定する機械の動きの揺れに問題が生じることもあります。

3.防振材の減衰特性

内部摩擦抵抗が少なく、共振点の増幅が大きく、なかなか減衰しない防振材は、バネ自体の縦振動による共鳴現象(サージング現象)を起こすため可聴域の防振効果が悪くなります。

また、床の振動による共振音がマイクロフォンに入り問題が生じるため使用できません。内部摩擦抵抗が適度である防振ゴムの選定が必要です。

無響室の室内音響設計

無響室の室内音響性能は、逆二乗特性の成立距離により決まります。逆二乗特性とは、室内の反射音が無い理想的な空間(自由音場)において、点音源から放射された音の音圧レベルが倍距離ごとに6dBの割合で減衰していく特性です。

しかし、実際は完全な自由音場とはならないため、音源からの距離が遠くなると逆二乗特性が成立しなくなります。逆二乗成立距離が成立する距離が長いほど無響室の性能が良いということになり、この逆二乗成立距離で無響室が評価されます。

*逆二乗特性成立距離の許容偏差

無響室の性能は、逆二乗特性成立距離の長さを測定し評価されます。ISOでは、この逆二乗特性の許容偏差を下記表のように設定しています。

無響室では、部屋中央に音源を置き、半無響室では、半空間放射を想定し、部屋中央の床に音源を置き測定します。

無響室1

無響室・半無響室の選定

測定対象物が、大型の機械や車両の場合、床面を吸音することが難しいため半無響室とする場合があります。

また、予算や建築的な条件、大型の物も小型な物も測定する場合、床は吸音ユニットを敷き並べるようにして無響室としても使えるようにする場合もあります。

半無響室の場合は、無響室に比べ測定精度がやや落ちますので、可能な限り無響室にすることをお勧めいたします。また、予算の関係上、吸音構造に吸音楔を使用していない簡易無響室もありますが、測定精度が落ちますので見積段階で注意が必要です。


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